概要 / description

　江戸末期から明治期の幕臣・政治家勝海舟（義邦・麟太郎・安房守・安芳1823～1899）に関する資料群。
　勝海舟は、下級旗本から蘭学者として身を起こし、黒船来航を機に幕府に登用された。安政2年(1855)長崎へ派遣され洋式海軍術を学び、万延元年(1860)遣米使節団の別船咸臨丸で渡米を果たす。文久２年(1862)軍艦奉行並に任じられ、翌年神戸海軍操練所設置の許可を得た。松平春嶽・大久保一翁とともに公議政体派の一翼を担う。慶応４年(1868)戊辰戦争では、明治新政府軍との交渉にあたった。ともに江戸開城に尽力した高橋泥舟・山岡鉄舟と並び「幕末の三舟」と称される。維新後は新政府に迎えられ、参議、海軍卿、枢密顧問官を歴任、また徳川家と明治政府との橋渡し役をつとめた。明治20年（1887）伯爵を受爵。
　当コレクションは、勝部真長氏(1916～2005)の収蔵品を中核に、個人あるいは市場からの収集品から成る。最も代表的な資料は、海舟の自筆日記「海舟日記」原本25冊があり、他に重要書簡や著作建言類の草稿などがある。